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2017年度理事長所信 Message
所信
心とともに
理事長 牛嶋浩
-山鹿を感じる時-
故郷山鹿を離れて生活を営んでいた 20 代、帰省するために 3 号線を北上し、右手に変わらぬ
姿で鎮座する不動岩を見ながら、静かで雄大な流れの菊池川を越えると、そこには穏やかで大ら かな姿で迎えてくれる山鹿がありました。そして、そこには親を亡くしていた私に近所の方がま るで実親のように「お~どぎゃんや」と優しく包んでくれる、家族のような優しさがありました。 山鹿を離れて暮らすと、山鹿という街が、優しく穏やかで大らかな「心」であふれている街であ ることを感じずにはいられませんでした。2016年4月、震度7の大地震が熊本・大分地域を襲い、我々が生活する熊本地域は経験し たことのない大きな被害を受けました。さらに 4000 回をこえる余震が続き、我々は不安を抱え 日々の生活を送ってきました。このような、不安が取り巻く社会状況において、我々青年会議所 が目指す「明るい豊かな社会」は、どのように実現していくべきなのでしょうか。それは、物質 的なものでは無く、本来地域や人々が持つ「心」が導いてくれるものであると考えます。
本年は、私が 20 代に感じた山鹿の地域や人々が本来持っている、優しく穏やかで大らかな「心」 を今一度見つめ直し、人々に伝え、行動してまいります。-「心」ある組織-
「上善は水の如し」水は万物の生命が活動するうえで唯一無二のものであるが、器によりその 形を柔軟に変化させ、時には岩をも砕く強さを持っているが、常に低きところへ流れていく。そ のような有り方が善であると老子が説かれております。(一社)山鹿青年会議所は昨年、皆様のご支援、ご協力のおかげを持ちまして、認承 45 周年 創立 50 周年を迎えました。先輩諸兄姉が刻んでこられた 50 年の青年会議所運動を未来につな げていくべく、より力強い運動・事業を展開し地域の方々へ強く共感を持っていただける組織と なるには、水のごとくあるべきだと考えます。 そのためには、まずは水のごとき唯一無二の存在となるべく、組織内で行う事業・運動を通して しっかり学ぶとともに、全メンバーが集う例会を研修や講師による学ぶ場とし、メンバー各個人 の見識を深め強さを身に着けてまいります。
また、水のごとき柔軟性を持つべく、青年会議所で行われる各種会議においては、他者の意見 をよく聞き・熟考し、他者の価値観さえも上手く取り込む柔軟な「心」を持てるよう会議運営に 取り組んでまいります。 強い自己と柔軟な「心」をそなえた個人となったうえで、水のごとく謙虚な「心」を持って運動・ 事業を展開してまいります。それにより、地域の方々により強い共感を持っていただき、より必 要としていただける(一社)山鹿青年会議所へと発展していくと確信しております。-「心」の伝播-
青年会議所会員は 40 歳を迎えると卒業しなければなりません。そのため、常に新しい会員を
迎え入れ、新鮮で活発な運動を進めてまいりました。本年も、さらに活発な運動を展開すべく、 (一社)山鹿青年会議所会員が持つ地域を愛する「心」、人を思う「心」を山鹿地域に住む皆様 に伝えることで、「心」の共感を広めてまいります。その共感の輪が、新たな仲間を迎え入れる ことへとつながり、より力強い運動の展開へつながっていくことと確信しております。-結びに-
このたび理事長という職を拝命いたしましたが、私もまだまだ発展途上の未熟な人間です。時に悩み、立ち止まってしまうかもしれません。しかし、それぞれ素晴らしい特性を持つ山鹿青年 会議所メンバーが、その特性をより磨き、力を結集し、地域や人を思う「心」を大切に、柔軟か つ謙虚な姿勢で行動していくことで、山鹿地域が本来持つ優しく穏やかで大らかな「心」あふれ る「明るい豊かな社会」への実現へとつながることと確信しております。
一年間どうぞよろしくお願いいたします。