• 2023年度理事長所信 Message

    所信

    愛和

    ~紬ぎ・繋ぎ・創る~

    第58代理事長 本山 由季

    -はじめに-

    2023 年、世界的な異常気象や疫病、毎年のように多発する自然災害、そして物価上昇による経済不安や目まぐるしく変化を続ける技術・制度の革新など、まさに混沌とした世界情勢のなかに私たちは身を置いています。

    この時勢において人々の生活様式も劇的に変化し、リモート技術による対話などで全世界との繋がりをより近くに感じるようになった反面、直接的な人と人との繋がりは希薄になりつつあると考えられます。このように不安定な世の中にあるからこそ、責任世代である私たち青年経済人は、それぞれが自分自身を大切にし、他者を思いやる無償の「愛」の精神、そして人と人との「和」を大切にする精神に基づいた行動で社会に貢献しなければならないと考えます。

    私たちが暮らす山鹿地域は、先史時代から菊池川流域の肥沃な大地と山々の恵みによって栄え、とりわけ近現代においては交通の要衝として発展してきました。

    そして、山鹿に青年会議所が誕生し、昭和・平成・令和と激動の時代を先輩諸兄姉の並々ならぬご尽力に導かれて半世紀が過ぎました。私たちが先輩諸兄姉から受け継いだ青年会議所運動の灯をこの先も絶やすことなく、いかなる時においても愛と和の心を持って皆で日々を紬ぎ、灯を次世代へと繋ぐため、高い志を抱き、弛むことなく力強く前進してまいります。

    -ふるさとの多様な側面を捉え、活かす-

    2005 年に一市四町が合併した山鹿市は、福岡県や大分県とも接し地域交通アクセスの拠点となっています。また歴史的にも豊かな自然に恵まれ、多彩な文化が各地に根付いています。そこで私たち山鹿青年会議所は、地域の資源を活用した様々な事業や運動を展開してまいりました。

    私自身は JAYCEE として各種運動や活動に自ら進んで関わっていく中で、地域に住み暮らす人々との交流や、偉大なる先人たちが積み上げてこられた活動の成果に触れるにつれ、このまちが大好きになり、また私も山鹿の様々な魅力や歴史、文化をもっと多くの人々に伝え、より山鹿を好きになる方を増やしていかねばならないという使命感を抱きました。

    本年は、山鹿の各地域の様々な文化や伝統に目を向け、山鹿地域の魅力を発信できるような活動と、会員や地域の若者がそこで学んだことを通して成長に繋げることができるような活動を展開してまいります。

    例年、日本各地で頻発する自然災害は人々の生活を一変させてしまうほど甚大な被害をもたらしています。更には、人々の身の回りで起こり得る様々な災いは潜在しています。

    メディアでの市民へのインタビューで、「まさか日本で起こるとは思わなかった」と言う言葉を耳にすることがありますが、今やあらゆる事態に対岸の火事はなく、自分の事として捉え、未然に防ぐ防災力、発生した時に被害を最小限に止めて身を守る対応力や復旧する力(レジリエンス)が必要になってきます。

    本年は、行政など地域と連携し、災害に備えるべく学び、注意を喚起し、強固な郷土を創るため活動してまいります。

    -規律・調和・連携の取れた組織-

    組織運営にとって大切なことは、2 つあると考えます。

    1 つ目は、ルールを守り組織の調和を図ることです。青年会議所には理念や使命、 目的があり、組織としては多様な考えや立場の人々で構成されていますが、それぞれが自身の主張ばかりしていては組織活動が空中分解し、烏合の衆となってしまいます。一人一人の個性は尊重しつつ、守るべきルールは守ることで、其々が持つ能力が最大限に発揮できるような仕組みが必要です。

    2 つ目は、縦と横の連携を強化し、会員が活動の幅を広げる環境を創ることです。地域の垣根を越えて世界中の志を同じくする仲間と共に活動する機会があります。新たな出会いは自身を大きく成長させてくれます。そのためには運営側が会員の橋渡しとなって連携を強化し、組織の発展と会員の成長に寄与する必要があります。

    -素晴らしい人財と共に創る、未来の山鹿-

    青年会議所は明るい豊かな社会の実現に向けて様々な事業を展開していますが、自己成長の機会を得ることができる団体でもあります。

    どの組織においても全て人財が基礎となります。人財こそは力であり宝です。宝石は磨かれてこそその輝きを増しますが、人は人によって磨かれ、志を同じくする者同士が切磋琢磨することで、いつしか故郷を想う心が醸成され、現状を変えていこうと能動的に行動する人財になります。そして多彩な力が結集することにより、青年会議所運動を展開する力も大きくなります。

    現在、山鹿青年会議所には志を共にする仲間が沢山いますが、更に活気に溢れ、地域に求められる組織となるためには、より多くの人財の力が必要です。私が青年会議所に入会したきっかけは、先輩諸兄姉が築き、山鹿市の発展とともに紬いでこられた歴史の重みを実感したことでした。1966 年に立ち上がり一昨年に 50 周年を迎えた山鹿青年会議所が、今後もこの地域により良い人材を輩出するためには、より多くの人財の力が必要不可欠です。そこで、地域の青年たちと交流し多くの時間や体験を共有することで絆を深め高め合い、共に明日の山鹿を豊かにする運動を巻き起こしてまいります。

    -むすびに-

    私は、青年会議所に出会えてよかったと心から思っています。

    山鹿に生を受けた私は、この豊かな自然に恵まれた故郷・山鹿と、偉大なる先人たちの無償の愛によって育まれてきたことを、青年会議所の活動を通じて痛感したからです。

    縁あって 2017 年に入会し、右も左も分からなかった私にとって、まちのため、明るい豊かな社会の実現に向けて切磋琢磨し、汗を流す先輩方や仲間は、とても眩しく輝いて見えました。それを憧れで終わらせることのないよう、自分自身も一歩ずつ一歩ずつ、JAYCEE の仲間たちに支えられながら研鑽を重ねてまいりました。

    昨今の災害や世の中の急激な変化は私たちの生活を劇的に変化させ、我々の青年会議所活動にも少なからず変化をもたらしたものと考えています。しかし、我々の地域を想う心は全く変わりません。本年は山鹿青年会議所会員一丸となって歴史を紬ぎ、人と人との絆を未来へ繋ぎ、地域の未来を創ってまいります。